病床数ワースト4位の神奈川~逆に看護師求人は旺盛!?

  • 神奈川県内にある全病院の病床を合計すると74,327床。このうち、一般病床は49,609床となっており、絶対数だけで比較すれば全国の都道府県で5番目の数字になります。しかし、病床の過不足を考える場合には、人口あたりの病床数で比較しなければ意味がありません。そこで、人口100人あたりの一般病床数を見てみると…なんど0.55床に留まる結果に。これは全国44位、ようするにワースト4位という惨憺たる結果。
    病床数が足りなければ、通常の入院患者はもとより救急患者の受け入れも出来ないなど様々な弊害が生じてしまいます。では、病床を増やすためには何が必要なのでしょうか?それは看護師の数を確保すること。入院設備がいくらあっても、その病床数に見合う看護師を勤務させない限り、厚生労働省令に抵触する事となり、診療自体が立ち行かなくなります。
    それに、ご存じの方も多いと思いますが、診療報酬制度が2006年に改定され、7:1という看護師配置基準を満たせば報酬がアップするようになりました。逆に言えば、10:1や13:1に落ちてしまうと、病院の収入が下がるということになります。病床だけ増やして看護師が増えないのでは、配置基準がどんどん悪化して病院の利益が減ってしまいますから、経営面からみても看護師確保が不可欠なのです。
    実際、神奈川県では、全国ワースト4位の病床不足エリアという汚名を返上すべく、県を挙げて病床整備に努めていますので、それに伴う看護師需要の増加が見込まれています。さらに、現状では7:1の基準を満たせていない病院が多数存在しますから、一挙に需要が高まる事が予測されているのです。だからこそ、神奈川県は看護師求人を探す上で、今もっともホットな都道府県の1つといえるでしょう。

神奈川の高給&高待遇看護師求人一覧

神奈川県の医療を分析~看護師求人の展望

  • basic data
  • 病院数
    343ヶ所
    診療所数
    6,372ヶ所
    高齢者人口
    1,824,655人
    後期高齢者人口
    795,352人

    ※2013年3月時点のデータです

神奈川県における人口10万人あたりの看護師数は703人。全国平均の1035.3人と比べて明らかに少なく、全国47都道府県中46位。2011年には1度、埼玉県を下回って最下位に転落した経験もあるようです。医師数についても人口10万人あたり195.4人と恵まれておらず、全都道府県で39位。
全般的に医療従事者が足りていない県であるといえます。
神奈川県は、近年人口が急増した県であり、東京都に次ぐ905万人を抱えていながら、その爆発的な人口増加に看護師数や医師数が追いつかないままなのです。
とはいえ、看護師数については徐々に供給数の増加が見込まれており、2015年には人口10万人あたり781.2人、2020年には866.2人まで改善するという推計も出ています。もちろん看護師不足が緩和するに越したことはないのですが、こと転職の有利不利だけを基準に考えるなら、供給が追いついていない時のほうが有利。看護師不足の状態では、多くの病院が看護師配置基準7:1を満たせなくなっており、資金力のある病院は他より高い給与で看護師を増やそうとします。転職して人生を変えたいなら、このタイミングで好条件求人を狙うのがもっとも合理的。将来的な転職を考えているのなら、看護師不足が解消していない今のうちに踏み切ってしまったほうが有利といえます。

  • 横浜一極集中!周産期救急の偏在問題

    地域ごとの医療問題を知る上では、2次医療圏というくくりが非常に重要。例えば、ある診療科目の医師が県全体としては足りていたとしても、それが県東部に偏っていたとしたら、西側に住んでいる患者さんは満足な医療を提供してもらえなくなるはずです。急病の患者さんを、車で1~2時間もかかる地域まで運んでいくなんで現実的ではありませんからね。
    こういった問題の1つとして、神奈川県の周産期救急医療の偏在が挙げられます。妊娠22週から出生7日までは、分娩時の急変や合併症に気を遣わなければならない時期。この周産期に不測の事態が起きた場合、周産期救急の診療を受ける必要があります。
    この周産期救急病院は神奈川県内に29院あるのですが、そのうち15院が横浜市内。実に過半数が横浜市だけに集中しているわけです。その他に1つの市内で複数の周産期救急施設を抱えているのは、3院を有する川崎市と相模原市、2院を数える横須賀市の計3市だけ。
    他のエリアで、恵まれた状態といえるのは伊勢原市、平塚市、秦野市に周産期救急施設がある湘南西部保健医療圏と、相模原市へのアクセスに優れた県央保健医療圏くらいのもの。 小田原に1院あるだけの県西保健医療圏や、横須賀・三浦保健医療圏の中で横須賀市内の病院にアクセスしにくい地域などは、やや厳しい状態にあります。
    安心して出産できる環境を整えなければ、現代をとりまく大きな問題である少子高齢化が進んでいく一方。首都圏の一翼を担う神奈川県とはいえ、第二次ベビーブーム期の1974年をピークに人口増加率は低下を続け、1992年以降は毎年1%を割り込んでいます。そうした状況を少しでも改善するためにも、周産期医療の充実が望まれます。

  • 横浜一極集中!周産期救急の偏在問題
  • 県央保健医療圏には救命救急センターがない!?
  • 県央保健医療圏には救命救急センターがない!?

    神奈川が抱える問題は、なにも周産期医療に限った話しだけではありません。神奈川県内には救命救急センターが15ヶ所あるのですが、こちらも横浜市への一極集中が顕著になっています。なんと、15ヶ所のうち実に7ヶ所が横浜市内。他に市内に複数の救命救急センターを有しているのは、3ヶ所を数える川崎市のみとなっているのです。
    横浜と川崎が恵まれているのは何の分野でも同じことでしょうが、むしろ問題にするべきは医療圏の中に1つも救命救急センターを持たない県央保健医療圏でしょう。大和市、海老名市、厚木市、綾瀬市、座間市、清川村、愛川町の7自治体で構成されており、そこそこの面積もありながら、救命救急センターがゼロなのです。 それどころか、県央医療圏にはがん診療連携拠点病院と緩和ケアを行っている病院も皆無。東京に次ぐ都道府県とされる神奈川県の中で、この地域だけが高度2次医療から見放されているかのようです。一刻も早い、救命救急センターやがん診療連携拠点病院の設置が望まれるところですね。
    神奈川県は、救急車が搬送を完了するまでの平均時間が30分強とかなり長い部類に入るのですが、これには一部地域での救命救急センター不足も影響しているかもしれません。当然、県もこうした状況を座視しているわけではなく、2011年12月に策定された地域医療再生計画の中で、救命救急センターを18ヶ所に増設すると明記しています。また、看護師不足に関しても、年間4,600人以上の増加を目標とし、院内保育施設を105ヶ所設置するといった行動計画も立てていますので、この機会にぜひ神奈川県内での就業を目指してみてはいかがでしょうか。

神奈川県の求人4大ポイント~看護師転職の必須知識

  • 看護師充足率が全国ワースト2位の神奈川県…逆に考えれば看護師需要が国内最大クラスのエリア!?
  • 県内病床合計は、なんと74,327床!常時10,618名の病棟看護師需要があります!
  • それでも神奈川県の人口あたり病床数は全国46位…今後さらなる増床が必須で、看護師需要も爆増!
  • 周産期医療の偏在が課題の神奈川県。産婦人科志望の看護師さんは、ぜひ県西エリアで入職を!

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