横浜市の看護師事情~求人募集の現在
横浜市は、病院数・診療所数ともに神奈川県内トップの施設数を誇っています。1つの市域で134院の病院と1,912院の診療所を有している街は、日本中探しても非常に稀。全国の病院充足度ランクだと第5位に相当します。ちなみに、1位は東京特別区で、2位以降は大阪市・札幌市・名古屋市と続いています。
そんな日本を代表する大都市の横浜市であれば、転職先の医療機関はよりどりみどり。市内での転職を実現することは容易だと思われます。
ちなみに、横浜市内の一般病床を合計すると22,045床。仮に配置基準7:1を満たすなら3,149名の看護師が常に病棟で勤務中という計算になります。この状態を保ち続けるには、少なくとも10,000~15,000人の病棟看護師が必要になるでしょう。
もちろん、実際には病棟看護師以外にも外来勤務、訪問看護など色々なお仕事スタイルがあります。それらを片端から足し合わせれば、横浜市の看護師需要はまさに規格外の数字になることでしょう。横浜市内の看護師さんはもちろんのころ、大和市や横須賀市など隣接する地域の看護師さんにとっても魅力的な転職先エリアだと思います。
高給看護師求人DATA集~横浜市版
横浜市内は人口過大で若干病床不足!?~看護師求人事情
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- 病院数
- 134ヶ所
- 診療所数
- 2,912ヶ所
- 高齢者人口
- 754,059人
- 後期高齢者人口
- 346,409人
※2013年3月時点のデータです
横浜市では、急性期の患者さんを診療したり、救急搬送されてきた患者さんに対応するための医療機関は、おおむね充足しています。しかしながら、慢性期治療や継続的に診療していくべき患者さんに対応するための医療機関について必ずしも充足しているとはいえない状態。
特に回復期リハビリテーション病床は全国平均の65%程度に留まっており、たとえ横浜市が基準病床数の範囲内で優先的に病床を配分したとしても、整備しきれない恐れが出てきているようです。
現状ですら、人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)が20%を超えている横浜市。さらに、2025年には65歳以上の人口が100万人を突破し、高齢化率も26.8%と、3.7人に1人が高齢者という状況を迎えると予測されている以上、療養型病床の不足が出ないよう抜本的な改革を行っていくことが必要でしょう。
実際、横浜市でも“よこはま保健医療プラン2012”と銘打ち、将来的な病床の過不足までを勘案した医療設備拡充計画を実施中で、2012年だけでも153床分の療養型病床の配備が行われました。ただ、これにしても病院側からの増床要望186床分に対する回答結果でしかなく、しかも要望を下回る配備許可しか与えていないところを見ると、さらに本腰を入れて取り組んでいく必要がありそうですね。
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横浜市は3つの2次医療圏に分かれている!
一般的に、2次医療圏は大規模な市だと1市で1つの医療圏を構成し、普通の市町村は複数で1つの医療圏を構成しています。しかし、全国の政令指定都市でも随一の規模を誇る横浜市は、完全に常識外れ。なんと、横浜市だけで3つの医療圏に分けられているのです。
以下に保健医療圏の区分けをまとめていますので、まずはそちらをご覧ください。
保健医療圏名 | 構成区域 | 基準病床数 | 既存病床数 | 過不足 |
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横浜北部保健医療圏 | 港北区、神奈川区、鶴見区、青葉区、都筑区、緑区の6区で構成 | 8,260床 | 7,974床 | -286床 |
横浜西部保健医療圏 | 瀬谷区、泉区、旭区、戸塚区、西区、保土ケ谷区の6区で構成 | 7,105床 | 7,361床 | +256床 |
横浜南部保健医療圏 | 港南区、磯子区、栄区、金沢区、南区、中区の6区で構成 | 6,953床 | 6,710床 | -243床 |
統計 | 22,318床 | 22,045床 | -273床 |
上記から、いずれの医療圏でも基準病床数を大きく割り込んでいることはなく、まずまず充足しているということが分かります。しかし、安心するのは禁物。人口100人あたりの病床数は0.6床に過ぎず、全国平均の0.8床に及びません。基準病床数を決める側は、市域の現状を鑑みて実現可能な数値を設定しがちですから、この基準さえ満たしていれば大丈夫!と思い込んでいると、こうした落とし穴に陥ることになります。
いずれにせよ、横浜市は一見すると2万床を超える病床を有する医療充足地ですが、こと人口単位でみると、少々粗が目立つという、首都圏共通の問題を抱えているわけですね。
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医療機関は豊富だけれど…医療スタッフは不足気味!?
横浜市内には病床数20以上の病院だけで134院が存在しており、その数は言うまでもなく県内トップです。しかしながら、人口10万人あたりの医師数を見てみると、187.8人に留まっており、神奈川県平均の195.7人を下回っています。その神奈川平均にしたところで、全国平均の230.4人と比べれば34.7人もの差があるのですから、それをさらに下回る横浜市は、かなり問題アリといえそうです。ちなみに、神奈川県の人口あたりの医師数は全国の都道府県で38位に過ぎません。
人口あたりの看護師数については、3次医療圏となる都道府県単位でしか統計が出ていないようですが、こちらも703.0人となっており、全国平均の1,035.3人を大きく割り込んでいます。こちらは47都道府県で第46位という、かなり危機的な状況…。
医療機関の数こそ多いものの、横浜市は深刻な医療従事者の人材不足に悩まされているのです。横浜市で必要性が叫ばれている、療養病床や回復期リハビリ病床を増床するためにも看護師の確保は不可欠。早急に人材確保が進めることが望まれます。
以上から、今の横浜市はこれから転職しようという看護師さんにとって有利な状況といえるでしょう。看護師不足で増員を切望している病院がたくさんあるはずですから、上手く交渉して好条件を引き出したいものです。
看護師採用事情4原則~横浜市の求人編
- 134の病院を有し合計22,045床を擁する横浜市。全国市区町村No.5の充足度で転職先も超豊富!
- 想定される看護師需要は一般病棟のみで1万5千人以上!?診療科の種類も豊富で、求人もよりどりみどり!
- 市内医療圏の既存病床数も基準値の90%台後半~100%台と充実!医療施設の偏在もなく労働環境も◎
- ただし回復期リハビリ病床は全国平均の65%程度と低調…今後増床に伴う看護師需要が旺盛に!?