看護師需要は8万件超!?北海道の求人数は全国随一

  • 北海道の医療機関内訳は病床数20床以上の病院が514院、そして病床数19以下の診療所が3,388院となっています。これは絶対数で見ると非常に多く、病院数514院は東京都に次いで2位、診療所についても全国9位とかなり上位。しかしながら、面積が日本全体の1/5以上を占め、さらに550万人近い人口を抱える北海道ではこれでも医療機関の数が充分とはいえません。人口10万人あたりの医療機関数で見ると、病院こそ9.34院と全都道府県中9位の数値になっていますが、診療所については61.53院で全国43位。人口あたりに換算すると、それほど充分ではないことがよく分かります。さらに広い面積をすべてカバーするほどの医療機関を設置するのは並大抵のことではなく、人口の多い札幌界隈に偏っているのが現状。医療機関が乏しい、あるいは全くないという地域も珍しくなく、21世紀初頭の段階で、52市町村の121地区が無医地区となっていました。数自体が多いとはいっても、人口、面積ベースで考えれば北海道の医療機関は大幅に不足している状態なのです。
    ところで、北海道の看護師需要はどの程度の規模かご存じでしょうか?実は北海道の病院が運用している病床をすべて合計すると99.708床にも達し、仮に全病院が7:1看護を目指す場合、14,224名の看護師が常に病棟業務に入っていなくてはならない計算。この状態を常に満たすためには恐らく8万人を超える病棟看護師を雇い入れておく必要があるでしょう。それに加えて外来、手術室といった人材需要もあるわけですから、必要な看護師の総数はもはや天文学的な数字になるはず。そう、実は北海道というのは47都道府県の中でも特に看護師需要の高い地域といえるのです。 ただし、北海道の医療機関は札幌近郊に一極集中しているのが特徴。もちろん札幌以外にも充分な医療機関を有する地域はありますが、やはり旭川や帯広、釧路、函館といったいくつかの都市部に限られます。求人数が非常に少ない郡部での転職活動は、やや厳しいものになるかもしれません。

北海道の看護師求人TOP10

看護師求人の現状~北海道の医療過疎を改善するために

  • basic data
  • 病院数
    514ヶ所
    診療所数
    3,388ヶ所
    高齢者人口
    1,386,695
    後期高齢者人口
    693,851

    ※2013年6月時点のデータです

北海道で問題になった医療問題といえば、2012年3月に札幌医科大学が、北海道内の5病院(苫小牧市立病院、市立赤平病院、市立三笠病院、浦河赤十字病院、国立函館病院)に派遣していた麻酔科医の引き上げを表明した事例が挙げられます。札幌医科大学には全部で40名の麻酔科医が在籍していましたが、そのうち4割が女医。その女医のうち6名がまとめて産休に入り、他の病院に派遣する余裕がなくなったことが理由です。これを受けて苫小牧市立病院では4月から常勤の麻酔科医が不在になる可能性が高まり、大きな話題を呼びました。

苫小牧市立病院は東胆振地域の中核病院として地域医療を支えていた病院ですが、常勤麻酔科医が不在になれば緊急手術の対応ができなくなってしまい、事実上、中核病院としての機能を喪失するも同然。苫小牧市立病院はどうにか6月までの2ヶ月間だけ麻酔科医を確保することに成功しましたが、その後は非常勤医をやりくりするなどしてギリギリの対応を続けているようです。正直、自転車操業の感は否めません。 全国的に不足が叫ばれている麻酔科医ですが、緊急手術の多い中核病院においてはまさに生命線ともいえる重要な人材。こういった事例が少しでも減っていくよう願うばかりです。

  • 圧倒的な面積を持つ北海道…医療過疎が深刻!

    1つの都道府県でありながら日本の全面積の22%を占めている北海道。やはり、全体にくまなく医療機関を配置することは至難の業です。何せ、山陰地方、四国、九州を合計したのと同程度の面積があるのですから、医療資源の偏在を解決するのは困難というしかありません。北海道では人口の多くが札幌市界隈に集中していることから、医療機関もまた札幌市だけに偏ってしまいます。2000年の段階から北海道に住む人口の31.8%が札幌市在住でしたが、2013年の今は35.2%となっており、この傾向はどんどん強くなっている状況。今後もこの流れは続いていくものと思われます。となれば、やはり医師、看護師、医療機関についても一極集中は続いていくことでしょう。現状でさえ、郊外には無医地区が点在している状態。医療過疎地域がこれ以上広がってしまわないよう、早急に手を打つ必要があります。
    ちなみに北海道全体の人口10万人あたり医師数は229.06人となっており全国の都道府県で25位。要するに平均程度なのですが、これは医療機関の集中する札幌市1市が大幅に引き上げた数値であり、郊外の現状を反映しているとは言い難い部分があるのです。

  • 北海道では医療過疎が進行
  • 緊急搬送
  • 医療過疎の地域がいかに多くあるかを如実に示す数値としては、医療機関が少ない地域の患者を緊急搬送するためにヘリコプターや航空機が出動した回数を紹介するのがもっとも分かりやすいでしょう。やや古いデータにはなりますが、21世紀初頭の3年間で航空機にうよる患者搬送は実に計300回を数えます。北海道庁が運用する北海道防災ヘリコプターが244回、陸上自衛隊が26回、海上保安庁が25回、そして航空自衛隊が5回、医療へき地からの患者搬送を行うために出動しているのです。時には自衛隊や海上保安庁の力を借りなければならないほど、北海道の緊急搬送体制は切迫しているのが実情。面積が広く、さらに離島も多く、それでいて医療機関が充実しているのが札幌など一部地域だけという状況が改善されない限り、この問題が根本から解決することはありません。
    もし北海道の医療過疎問題と向き合い、少しでも現状を改善したいという意欲をお持ちであれば、選択肢は主に2つになるでしょう。1つは医療へき地とされている地域のへき地医療拠点病院に勤め、プライマリ・ケアに携わること。そして、もう1つは航空機などで患者が搬送されてくるような、医療機関が充実したエリアの中核病院で働くことです。この場合、実際の勤務先はへき地ではなく、札幌、旭川、釧路、帯広といったエリアになるでしょう。プライマリ・ケアも救急医療もどちらも、医療機関が少ない郊外の患者さんを救うためになくてはならないものです。ご自身の向き不向きなども考慮に入れた上で、より働きやすいほうを選べば良いのではないでしょうか。

北海道編の看護師求人4大POINT

  • 北海道の病院数は514院!東京都に次いで全国2位を誇ります♪
  • しかし、日本全体の22%に及ぶ面積があることから医療過疎が深刻…!無医地区が120以上も…
  • 医療機関が札幌、旭川、釧路、函館、帯広といった一部都市に集中!郡部、郊外では求人数が限定的…
  • とはいえ、病床数9万以上の北海道では病棟看護師だけで8万人規模の需要があります!

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