看護師需要は病棟だけで5,000件!?函館市求人事情まとめ

  • 函館市にある医療機関は、病床数20以上の病院が30院、病床数19以下の診療所が235院となっています。いずれも札幌、旭川に次いで北海道内3位の施設数。さすがに政令市の札幌には水をあけられているものの、かなり優秀な数値といえるでしょう。
    函館市を含む南渡島保健医療圏にある病院の病床を合計すると7,659床になります。ただし、そのうち6,595床が函館市内の病院で運用されていますから、現実には半ば函館医療圏です。要するにほとんど函館1市のキャパシティに依存した医療圏であると考えて間違いありません。ですので、ここでは南渡島医療圏の病床数をもって函館市の看護師需要について試算してみたいと思います。仮にこの医療圏の病院がすべて7:1の看護師配置基準を満たすとするなら、7,659床という病床数から換算して、病棟には常に1,094名の看護師が必要。その状態を維持するためには医療圏域内では5,000名以上の病棟看護師を雇用しておくことが必要になるでしょう。ここに外来、手術室、さらには診療所、介護施設などで働く看護師の需要を加えれば、万単位の人材需要があることは想像に難くありません。そう考えれば函館地域の看護師需要は1都市としては破格というレベルになります。
    中には札幌あたりと比較して「函館は求人が少ない」と嘆いている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは札幌が異様に多いだけのこと。全国的に見れば、函館市はかなり求人数が多く、好条件での転職を目指しやすい土地といえます。

函館の看護師求人TOP10

函館市の医療問題を分析~看護師求人との関連は?

  • basic data
  • 病院数
    30ヶ所
    診療所数
    235ヶ所
    高齢者人口
    80,052
    後期高齢者人口
    40,594

    ※2013年6月時点のデータです

函館市内の医療問題としては、2006年に共愛会病院で発生した医療過誤が挙げられるでしょう。これは胃ろうの処置を受けていた87歳の女性患者が死亡した事故で、交換した胃ろうのチューブが胃から外れていたために、栄養剤が腹腔内に漏れ、腹膜炎を起こしたというもの。当時27歳の男性研修医がチューブ交換に失敗し、さらに挿入に問題がないかX線写真を確認する立場だった内科指導医も問題を見落としていたことが原因でした。この研修医は、指導医の目を離れて単独でのチューブ交換を行うのが始めてだったとのことです。研修医の技術的なミスと、指導医の確認ミスが重なってしまったために起きた悲劇ということになります。結局、医療過誤として問題になり、函館中央署が業務上過失致死の疑いで事情聴取を行うまでに至りました。1つのミスが生命に関わる医療の現場というのは厳しいものです。
他の業種では研修段階の社員に「絶対にミスをするな」と要求するケースはほとんどありません。むしろ、トライアンドエラーを繰り返しながら成長していくのが普通です。しかし、医療においては研修医だからといって失敗が許されるものではありません。最悪の場合、この事故のように患者さんの生命が失われてしまうことにも繋がります。1つ1つの行動が生死に直結するのは看護師も同じことですから、自身が医療過誤の当事者になってしまうことのないよう、集中して日々の業務に当たりたいものです。

  • 道南地域の医療連携システム“MedIka”に注目!

    函館市は北斗市などと共に南渡島2次保健医療圏を構成しています。北海道の2次医療圏としては病院数、病床数も多く、数次的にはそれほど医療事情が切迫している地域ではありません。これについては函館市単体で見ても同じで、一般病床およそ4,000床のうち急性期病床が3,000程度を占めている上、急性期を扱う大規模病院が市内に3院存在しています。ですが、実際のところ、函館市の医療事情にはそれほど余裕がありません。急性期の大病院は確かに3院あるのですが、どれも主要診療科目がすべて揃っているような医療機関ではないのです。特定の診療科目に強く規模は大きいものの、あらゆる疾病に対応する力はありませんし、患者を受け入れるキャパシティにも限界があります。目下、南渡島医療圏の周辺都市は医師不足が深刻で、他都市の重症患者はほとんどが函館市内の急性期病院に搬送されてくる状態。これでは函館の高次医療機関はパンクしてしまうでしょう。
    しかも、搬送されてきた患者が急性期を脱し、慢性期、回復期に入っても、なかなか地域の医療機関に戻すことが難しいという問題もあります。函館市内の病院と周辺地域の病院でスムーズに連携が取れていないため、転院させると、その後の治療に不安が残ってしまうからです。情報の共有がなされないまま転院させれば、重複処方などのリスクも否定できません。こうして結局、回復・療養期の患者さんも函館市内の急性期病院が受け入れ続けるしかないという状態が続いているのです。これでは数値の上で南渡島医療圏、函館市の病床、医療機関が充足していたとしても、効率的に運用できていないわけですから、現場しては“病床不足・病院不足”を訴えざるを得ないでしょう。

  • 病床不足・病院不足な函館
  • 道南地域医療連携ネットワークシステム
  • この状況を脱するため、函館を含む道南地域は2008年に“道南地域医療連携協議会”を開設。39の医療機関、7の関連施設の合計46施設が参加し、道南地域医療連携ネットワークシステム(MedIka)の運用を開始しました。急性期病院と地域の医療機関が患者の情報を共有し、スムーズに転院手続きを進めるようにしたのです。これによって、函館市内の急性期病院と周辺の1次医療機関が連携し、急性期病床と療養・回復期病床をスムーズに使い分けることができるようになれば、南渡島医療圏を筆頭とした道南地域の医療事情は急速に好転することでしょう。まだ手探りの部分、改善の余地がある部分も多くあるでしょうが、地域医療情報連携推進事業を積極的に進めている道南地域の今後に期待したいところですね。
    こういった問題は医療従事者というより役所の管轄に見えるかもしれませんが、地域医療の連携が積極的に行われていることは、これから転職しようと考えている看護師さんにとっても大きなプラスになり得ます。医療機関同士の情報共有が進み、スムーズな連携が行われれば、病床にも余裕ができて過酷な夜勤が少し楽になるかもしれません。また、治療に必要な情報がしっかり開示されていれば医療ミスの可能性が減って、仕事のプレッシャーも軽減されるでしょう。そして何より、医療現場の効率化に財源を投じている自治体であれば、役所が医療を重視していることは明白。医療が軽視されている自治体と比べて役所の目が届きやすいわけですから、スタッフの労働環境も向上しやすいといえます。そういった意味でも、函館を含む道南地域は転職志望の看護師さんにオススメのエリアといえるのです。

函館市の看護師求人Check Point!!の4大POINT

  • 函館とその周辺を合わせた南渡島医療圏の病院には全部で7,659床の病床があります!
  • そこから算出される看護師の需要は病棟だけでも5,000名を超える規模♪
  • 1都市で7,659床を誇る函館市は、鳥取全県の9,199床に迫るほどの規模を持ちます!
  • 札幌には劣るものの、都道府県に肉薄する病床数を持つ函館は転職有利な土地の1つ♪

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