看護師求人は2万人規模!?~京都府の転職事情
- 京都府には病床数20床以上の病院が163院、病床数19以下の診療所が2,532ヶ所あります。突出して医療機関が多いというわけではありませんが、京都にお住まいの看護師さんが転職先を見つけるには充分な数でしょう。大阪府などは近畿の他府県から通勤してくる方も多いのですが、京都の場合は他府県から流入してくる看護師が目立って多いということもないので、雇用を奪われる心配もありません。
ちなみに、京都府の病院にある病床数を合計すると36,542床。仮に全ての病院が看護師配置基準7:1を目指すのであれば、常時5,220名の看護師が勤務に入っている状態にしなければなりません。交代制で24時間、その人数を維持するためには2万人規模の病棟看護師需要があるでしょう。そこに手術室や外来、診療所、介護施設の看護師を加えれば看護師需要の合計は相当数にのぼるはずです。ただ、京都府にある病床のうち2万床以上が京都市周辺に集中しています。病棟看護師を希望しているのであれば、京都市、長岡京市、宇治市など都市部の医療機関を狙うのが良いでしょう。
京都の看護師求人TOP10
京都府は増床に伴う看護師求人の大好機が到来!
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- 病院数
- 163ヶ所
- 診療所数
- 2,532ヶ所
- 高齢者人口
- 605,709人
- 後期高齢者人口
- 286,195人
※2013年6月時点のデータです
各地で問題となっている医師偏在ですが、京都府も例外ではありません。近年、あちこちで医師の偏在が起こっているのは2006年の新医師臨床研修制度の導入による部分も大きいでしょう。研修医が研修先を自由に選択するようになったので、自然と都市部への一極集中が進んでしまったのです。今まで、大学医学部が人材不足の病院に医師派遣などを行っていたのですが、研修医の大学離れ(医局離れ)が進んだことで派遣する研修医が足りなくなってしまったわけです。これは間違いなく“医局制度の崩壊”が生んだ問題といって良いでしょう。社会派小説の金字塔である『白い巨塔』や、一時流行した医療漫画『ブラックジャックによろしく』などでは医局による支配が絶対悪のように描かれていましたが、実はそう悪い部分ばかりでもなかったんですね。どんなものにも良い面と悪い面があるという、ただそれだけのことなんだと思います。
実際、京都府では京都市を含む京都・乙訓医療圏への一極集中が進んでおり、北部では深刻な人材不足が慢性化している状態です。京都府全体としては人口10万人あたりの医師数が303.71人となっており47都道府県で3位ですが、現実には京都市界隈で飽和している一方、他の地域では足りていないのが実情。同じ都道府県ならどこの病院にでも通えるというわけではありませんから、医師充足率を測る上では都道府県のような広すぎる単位で統計を出すのではなく、市区町村単位で統計を出すように変えていくべきなのかもしれません。京都府医師会はこの問題に対処するため、ドクターバンクという登録制度を整備していますが、今のところ医師偏在が解消するには至っていません。
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京都府は病床不足に陥っているってホント?
それでは、次に京都の各医療圏の病床数を確認してみたいと思います。人的資源が京都市に集中している問題についてお話しましたが、病床に関して同様の問題は起きていないのでしょうか?
京都府の2次医療県別にまとめた病床数
基準病床数 | 既存病床数 | 過不足 | |
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丹後保健医療圏 | 1,299床 | 1,116床 | -183床 |
中丹保健医療圏 | 2,546床 | 2,467床 | -79床 |
南丹保健医療圏 | 1,459床 | 1,397床 | -62床 |
京都・乙訓保健医療圏 | 16,298床 | 20,586床 | +4,288床 |
山城北保健医療圏 | 3,816床 | 3,691床 | -125床 |
山城南保健医療圏 | 784床 | 616床 | -168床 |
以上から分かるとおり、京都府で基準病床数を満たしているのは京都市のある京都・乙訓医療圏だけ。残りの医療圏はすべて病床不足なのです。このままでは救急搬送を受け入れられないケースが増えるといった弊害が起こる可能性もありますし、恐らくは遠からず増床されていくでしょう。そして、このタイミングが看護師にとって転職のチャンスなのです。増床したにも関わらず看護師の人数がそのままでは、入院患者に対する看護師比率が下がってしまい、看護師配置基準を満たせなくなってしまいます。ですから、増床するためには看護師確保が必須。増床が終わってしまわない今のうちに転職活動を進めておけば、最良のタイミングで仕事を見つけることができます。病院側も看護師確保に必死ですから、条件面の交渉が有利に進む可能性も高いでしょう。病床不足の京都には、今まさに転職の一大チャンスが到来しようとしているのです。
京都の看護師求人4大POINT
- 京都府の病床合計は36,542床!病棟看護師だけで2万人規模の需要があります!
- ただ、2万床以上の病床が京都市、長岡京市、宇治市といった都市部に一極集中…!
- 特に京都府北部は医療機関も少なく、やや転職活動が厳しい可能性も…
- 全体的に病床不足の京都府!今後の増床が見込まれるので転職のチャンスは今!