看護師求人は病棟だけで5,000件超~山梨は需要が多い!?

  • 山梨県内にある病床数20以上の病院は52院。絶対数で見ると52院という数字はかなり少なく、47都道府県で45位となっています。しかし、山梨県は人口が少ないため、人口10万人あたりで計算すれば6.03院。これは全都道府県で24位となっており、平均水準には達しているのです。
    これら山梨県内にある全病院の病床を合わせると、合計11,271床になります。仮にすべての病院が看護師配置基準7:1を目指していくならば、常に1,610人の病棟看護師が勤務に入っている計算。この状態を24時間キープするわけですから、病院で雇用される病棟看護師の数は少なく見積もっても5,000人規模になるはずです。さらに病棟以外の外来、オペ室担当の看護師がいること、診療所や介護施設で働く看護師がいることを考えれば、山梨県全体での看護師需要はかなり多くなるでしょう。
    総人口が84万7,000人程度とかなり少ない山梨県ですが、看護師の需要は決して少なくありません。甲府市など市街地のほうが医療機関の数が多く転職先を見つけやすいのは否めませんが、その他の地域でも探してみる価値はあると思います。また、上野原市など東部にお住まいであれば都内への通勤を検討するのも手かもしれません。
  • 山梨

山梨県の特選看護師求人データ

医療従事者が偏在~看護師不足地域に好条件求人が!?

  • basic data
  • 病院数
    52ヶ所
    診療所数
    670ヶ所
    高齢者人口
    214,392人
    後期高齢者人口
    113,759人

    ※2013年5月時点のデータです

全国的に叫ばれ続けている産婦人科医、麻酔科医、小児科医の不足ですが、やはりここ山梨県についても例外ではありません。まずは山梨県の甲州市で、産科医の不足が生んだ事例について紹介したいと思います。
甲州市にある塩山市民病院は産婦人科医の不足によって分娩の扱いを止めていましたが、2009年、助産師による正常分娩を再開しようと動き出しました。しかし、塩山市民病院に医師の派遣を行っていた山梨大学が「常勤医1名では緊急時に充分な対応ができない」とこれをストップさせたのです。塩山市民病院は山梨大学からの医師派遣によって人材を補っているようなところがあり、かなりの割合で依存している状態でしたから、山梨大の意向を無視することはできません。結局、市民の期待に応えることは叶わず、分娩再開を断念しました。もともと塩山市民病院には山梨大学から派遣されてくる産婦人科医3名がいたのですが、2007年になって大学側が人材を引き上げてしまったことが分娩中止の理由。病院サイドで分娩再開を実現しようと助産師を用意したにもかかわらず、分娩中止の原因となった山梨大学に再開を断念するよう指示されるというのは…ちょっと理不尽な気もしますね。
ちなみに塩山市民病院が早期分娩再開に踏み切ろうとしたのは、もともと市民77,000人の「分娩を再開してほしい」という署名が提出されたことが理由。市民の要望に応えようとした努力が報われなかったことは残念でなりません。ただ、今は昔と違い、お産に100%の安全が当然のように求められてしまう時代です。常勤医1人では厳しいという山梨大学の意見も理にはかなっていると思います。理想を取るか、現実を取るか、非常に難しいところですね…。
それから4年が経過した2013年現在も、塩山市民病院は分娩の取り扱いを停止したまま。しかし、妊娠10ヶ月から分娩までを山梨大学医学部付属病院や市立甲府病院で行い、妊婦健診は塩山市民病院で行うという連動型のセミオープンシステムというものが開始されました。要するに、リスクを伴わない健診については地域で行い、分娩と緊急対応だけを大病院に依頼するという方法ですね。地域で分娩を完結させることはまだ実現していませんが、患者さんの負担が大きく減ったであろうことは非常に喜ばしいのではないでしょうか。少しでも市民の分娩を支えようと動き続けた塩山市民病院の前向きな姿勢が、セミオープンシステムの実現を可能にしたのだと思います。

  • 山梨県の医師偏在問題

    山梨県は4つの2次保健医療圏に分かれています。まずは各医療圏の病床数と構成する自治体についてまとめた表をご覧ください。

山梨県の2次保健医療圏まとめ

保健医療圏病床数地域
中北保健医療圏4,971甲府市、韮崎市、南アルプス市、北杜市、甲斐市など6市1町
峡東保健医療圏2,258山梨市、笛吹市、甲州市の3自治体
峡南保健医療圏555市川三郷町、早川町、身延町など6町
富士・東部保健医療圏1,218富士吉田市、都留市、大月市、上野原市など4市2町6村

以上から分かるとおり、峡南保健医療圏は医療機関が少なく、非常に規模の小さい医療圏です。やはり山梨県も他の都道府県にありがちな問題と同様、こういった小規模な医療圏において医師不足を露呈しているのです。
特に峡南地域を代表する2つの病院、市川三郷町立病院、社会保険鰍沢病院の医師不足が深刻で、診療科目を問わず慢性的に不足しているようです。これは日本の意志育成制度で、特定の臓器や疾患だけに特化した専門医ばかりを育てがちになっていることが1つの理由。プライマリ・ケアを行い地域医療を支えてくれる家庭医が足りないわけです。もちろん、100床以上の病床を持つ大型の病院であれば特定の疾患を得意とする専門医の存在が重要になるでしょうが、中小病院においては内科一般を診る家庭医のほうが需要は高いのです。
今後は高齢化の進行に伴い、さらに内科一般を扱う家庭医の必要性が増していくでしょうから、地域医療を担う人材の育成が急務といえます。 また、看護師の充足率は当該地域の医師数に比例することが多いため、峡南地域では看護師不足が慢性化していることも想像に難くありません。これから転職しようと考えているのであれば、こういった人材難のエリアを敢えて狙うのも1つの方策でしょう。喉から手が出るほど人手が欲しいという地域であれば、他の地域では考えられないような好条件を引き出すことも不可能ではありません。看護師不足というのは要するに、需要に対して供給が追いつかない状態です。転職志望の方にとっては、有利な転職を実現するチャンスともいえるのです。

求人探しの4原則~山梨の看護師になるために

  • 山梨県にある病院の病床合計は11,271床!7:1看護を実現するためには5千人規模の需要がある!
  • 県内の病院数52院は47都道府県で3番目に少なくなっています…
  • しかし、人口10万あたりの病院数は6.03院となっており、全都道府県で24位!
  • 人材不足の峡南エリアでは、意外な好条件求人に出会える可能性も!?

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