看護師求人最前線~求人は1万件!?三重の転職事情まとめ

  • 三重県に存在する医療機関は、病床数20以上の病院が89院と、19以下の診療所が1,506院です。このうち数が明確に分かっている病院の病床数をすべて合計すると20,780床になります。もし、すべての病院が看護師配置基準7:1を満たした場合、2,969名の病棟看護師が常に勤務中という計算。この状態を維持し続けるわけですから、優に1万人以上の病棟看護師がいないと成り立ちません。そこにオペ室や外来勤務の看護師が加わるわけですから、看護師の需要は相当数にのぼるでしょう。
    もちろん、看護師を必要としているのは病院だけではありません。他にも訪問看護ステーション、老人保健施設などといった職場が存在します。それらを加味すれば、三重県内で必要な看護師の人数がどれほどの規模かお分かりになるでしょう。転職先を探す上では県下最大の都市である四日市市や、県庁所在地の津市あたりが他より有利になりますが、それ以外の地域でも慢性的に人材が不足していますから、しっかりと探せば候補はいくらでも見つかるはず。三重県は、看護師求人を探す上で決して不利な土地ではありません。
  • 三重

三重県の特選看護師求人データ

三重県の医療崩壊対策~人材不足で看護師求人は激増!?

  • basic data
  • 病院数
    89ヶ所
    診療所数
    1,506ヶ所
    高齢者人口
    453,283人
    後期高齢者人口
    230,730人

    ※2013年5月時点のデータです

医師不足や看護師不足が全国的に叫ばれ、週刊誌の見出しなどに“医療崩壊は近い”などといった文句が躍ることも珍しくなくなった昨今ですが、2010年、本当の意味で医療崩壊という表現を使うしかないような事態が、ここ三重県で発生しました。一般的には“忍びの里”として高い知名度を誇っている伊賀市での出来事です。伊賀市内の上野総合市民病院の村山院長が、自治会の方々と席を同じくした会合の席上「4月からは病気にならないようにしてください。もう今のこの病院は皆さんの健康を24時間、365日守り続けられるような体制ではなくなりました」という信じられない言葉を発したのです。誰だって病気にならないほうが良いのは当たり前ですが「病気を治す施設であるはずの病院長がなぜそんなことを…?」といぶかりたくなるような発言の裏には、次のような事情があったそうです。上野想像市民病院にはもともと9名の内科医がいたのですが、その当時、すでに6人に減っていました。そのタイミングで、さらに2名の退職が決まったのです。わずか4人の医師では休日、夜間の救急までこなしきれません。
もともと同様の医師不足に悩まされている岡波総合病院、名張市立病院と協力して救急輪番制を敷いていましたが、その当番にすら穴を空けてしまいそうな状態になったのです。伊賀地域の人口10万人あたり医師数はわずか117名。これは日本全国平均の206名と比較して、半分程度の数値です。そのために医師1人ひとりに重い負担がのしかかり、耐えきれなくなってまた辞めていく…。伊賀地区はこの時すでに、そんな負のスパイラルにはまり込んでいました。救急患者が、搬送だけで1時間ちかく要する奈良県の病院まで運ばれることも珍しくない…まさに救急医療崩壊の地となってしまったのです。
伊賀市やおとなり名張市の市長、そして周辺三病院の院長たちが会合を設け、上野総合病院と名張市立病院を経営統合して人材を集約する計画を立てていますが、実現の目途は5~10年後。この地域医療再生計画に失敗すれば、今度こそ打つ手はなくなってしまうかもしれません。こうした事例がこれ以上増えてしまわないように、行政による医療機関へのサポートがもっと充実していくよう願うばかりです。

  • 三重県の保健医療圏を分析!

    こちらでは三重県の各2次保健医療圏について、動向をまとめてみたいと思います。まず、医療圏を4つの型に 分類する際の考え方をまとめましたので、そちらをご覧ください。

  • 1.自己完結型

    患者の圏域外搬送が少なく、他の医療圏へ患者が流出することがあまりなく、同時に他の医療圏の患者が流入してくることも少ない状態。流出率、流入率ともに20%未満の場合を指します。読んで字の如く、地域医療が医療圏の中で自己完結しているもの。

  • 2.流出型

    患者が他の圏域に搬送されることが多く、逆に流入してくることは少ない状態。場所ごとに事情が違うので断言はできませんが、あえて簡単にいうなら救急医療が間に合わなくなり、近隣の保健医療圏に頼っているケースと考えて構いません。流出率20%以上、流入率20%未満の状態です。

  • 3.流入型

    他の医療圏から患者が搬送されてくる割合が多く、逆に流出が少ない状態。こちらも簡単にまとめるなら、キャパシティの大きな救急病院、救命救急センターがあるなどの理由で、県内外から沢山の患者を受け入れているようなケースが該当します。流出率20%未満、流入率20%以上の状態。

  • 4.流出入型

    こちらは他の医療圏に患者が搬送されていくこともあれば、逆に他から患者が流れてくることも多い状態。周辺を含めて全体的に自己完結できるほどのキャパシティがない場合などに流出入型になりやすいです。分かりやすく言葉を換えるなら“やりくり型”とでも表現しましょうか。流出率、流入率ともに20%以上の状態。以上を受けて、三重県の2次医療圏を4つの類型にあてはめてみたいと思います。
    ちなみに三重県は中勢伊賀保健医療圏の一部を伊賀サブ保健医療圏、南勢志摩保健医療圏の一部を伊勢志摩サブ保健医療圏として区分しています。これは保健医療圏を策定してみたものの、歴史的、社会的、商圏的な問題、さらに地域住民の日常生活圏を踏まえて判断すると分断して考えるほうが望ましいという地区が存在していたためです。正直「それなら最初から分けておけば良いのに」という至極真っ当な意見が聞こえてきそうですが…なぜだか分割されていなかったようですね。

保健医療圏の類型まとめ1

分類保健医療圏詳細
【自己完結型】 南勢志摩医療圏松阪市を中心に、1市4町で構成される医療圏。傘下の伊勢志摩サブ医療圏を含んだ表現として使われることもありますが、ここでは分けています。自己完結型とはいえ、流出率は19%あたりを推移。流入率は7~8%程度なので、ほとんど流出型と捉えても構わない状態。
北勢医療圏四日市市、鈴鹿市、桑名市、いなべ市、亀山市など5市5町で構成される医療圏です。流出率が15%程度なのに対して、流入率は5%ほど。今後の推移次第では流出型に移行する可能性を残しており、予断を許しません。
中勢伊賀医療圏ここでは傘下の伊賀サブ医療圏を含んでいないため、津市1市のみを指しています。流出率、流入率ともに17%前後を推移。
【流出型】 伊賀サブ医療圏伊賀市、名張市の2市で構成されるサブ医療圏。上述した救急医療崩壊が生じていることもあり、完全に流出超過しています。流出率は50%を超えており、圏内での医療完結は遠い夢になっている状況。
伊勢志摩サブ医療圏鳥羽市、志摩市、伊勢市など3市3町で構成されるサブ医療圏です。流出率が33%に達しているのに比べ、流入率はわずか6~7%を推移。
【流入型】 なしなし
【流出入型】 東紀州医療圏尾鷲市、熊野市を中心に2市3町で構成される医療圏です。流出率は33%あたりを推移しており、流入率27~28%を上回っている状態。やはり、どちらかといえば流出超過といえます。

以上から分かるように、三重県内の医療圏は大半が流出超過に陥っており、流入型の医療圏は1つもありません。公式資料には明記されていませんが、トータルで圧倒的に流出超過が続いているという現状を見る限り、そもそも三重県の中で医療を完結できていないと判断せざるを得ません。これから先、三重県は大幅な地域医療改善計画の見直しを迫られていくことでしょう。
ただ、この状況から察するに“医療が間に合っていない状態”が続いているわけですから、各医療機関が大幅な人材不足に悩まされているのは想像に難くありません。そもそも救急搬送を受け入れられないのは、医師や看護師が足りずに充分な治療が出来ないからです。となれば、人材不足に悩む病院は1人でも多くの人材が欲しいはず。好条件での転職を果たしたいのなら、むしろ今がチャンスかもしれません。交渉に長けたコンサルティング会社を通すなどすれば、思いも寄らない好条件を引き出せる可能性もあると思います。

看護師求人のポイントまとめ~三重編

  • 三重県内の病院にある病床合計は20,780床!7:1看護には約3,000人の看護師が必要!
  • 要するに、三重県内では病棟看護師だけで1万人を軽く超える人材需要があるのです!
  • 三重県全体が極端な人材不足に悩まされており、好条件を引き出すことは比較的容易!?
  • 津市、四日市市など中心的な都市が有利ですが、看護師不足の現在は県全体で需要が多いです♪

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