看護師求人の現在~鳥取市より米子市が有利!?

  • 鳥取県内にある病床数20以上の病院は40院、19以下の診療所は532院となっており、これらは両方とも47都道府県中47位となっています。ただ、これらを人口10万人あたりの数値に変換すると印象は一変。病院数6.79院は全国20位、診療所数90.32院は全国9位となり、むしろ平均より上になるのです。鳥取は人口58万8,667人と全都道府県でもっとも小さくなっていますから、医療機関の絶対数が少なくても問題はありません。人口が小さいということは看護師の母数も比例して少ないわけで、医療機関が少なくても雇用が著しく不足するような状況にはなり得ないのです。以上から、鳥取県は看護師求人を探すにあたって特に不利な条件を持っているわけではありません。
    唯一、知っておいたほうが良いことは、鳥取県でもっとも病院数が多いのは鳥取市周辺の東部医療圏ではなく、米子市周辺の西部医療圏だという事実。なんとしても今すぐに求人を見つけたいという場合は、米子市と境港市を中心とした西部に狙いを絞ったほうが賢いかもしれません。
  • 鳥取

鳥取県の特選看護師求人データ

鳥取県は西部に人材が集中~看護師求人の傾向を探る!

  • basic data
  • 病院数
    40ヶ所
    診療所数
    532ヶ所
    高齢者人口
    154,323人
    後期高齢者人口
    87,482人

    ※2013年5月時点のデータです

鳥取県で発生した医療問題というと、2002年に発生した鳥取大学医学部付属病院の医療過誤が挙げられます。これは気管支炎で入院中だった生後9ヶ月の男児が心停止状態に陥ったにもかかわらず、13分間にわたって医師、看護師がその事実に気づかず、一命は取り留めたものの重度障害が残ったというものでした。当初、酸素量低下を示すモニターの警報音が鳴らなかったという主張がなされたそうですが、裁判の結果、鳥取地方裁判所は「そういった問題を想定した監視措置を取っていなかったことに過失が認められる」として2億500万円の賠償を命じています。ただ、呼吸管理を行っている場合、体内の酸素量が低下したことを知らせるモニター、要するにサチュレーション・モニターだけでなく、心拍呼吸モニターを併用していたはずです。急変して心停止するほどの容態だったなら、完全鎮静を行っていたと考えるのが自然。となれば、心拍呼吸モニターを使用していたことは、ほぼ間違いないと思われます。別の報道によれば「別の患者のうるさいというクレームを受けて、心拍呼吸モニターの警報音を切っていた」という情報がありましたので、恐らく心拍呼吸モニターを使っていたにもかかわらず警報音は鳴らなかったのでしょう。そして、サチュレーション・モニターの警報は原因が分かりませんが、何らかの理由で鳴らなかったということになります。また、心停止してからの経過時間が“約10分”とか“約15分”ではなく明確に“13分”となっていることから、心停止状態であることを認識する13分前に喀痰吸引などの処置を行っていたと推測可能。つまり“13分前には問題がなかった”と言い切れるだけの記録があったという事実を示します。また、他の患者が「うるさい」と主張したのであれば、相部屋だったことになります。要するに、男児は集中治療室にいたわけではなく一般病室だったということです。
これらを総合すると、男児の急変を予測するのは恐らく不可能だったでしょう。容態から急変が予想できていたなら、集中治療室に入れていたはずだからです。となれば、病院の落ち度は心拍停止モニターの警報音を切ってしまったという一点に集約されると思います。つまり、別の患者からのクレームを優先し、男児の安全管理を怠ってしまったということですね。報道から分かる情報が少なすぎたため、多分に推測が入っていますが、もし推測どおりであれば鳥取大学病院は医療過誤の責任を免れ得ないと考えられます。
このように、ちょっとしたクレーム対応の手順1つで、生命が脅かされることもあるのが医療従事者の仕事です。もし、クレームを入れた患者を別の病室に移すなど他の対処法を取っていれば、このような事態は防げたわけですから。看護師という仕事はやりがいがある反面、こうしたリスクに常にさらされています。自分が医療ミスの当事者になってしまうことのないよう、目の前の仕事に集中していきたいですね。

  • 鳥取県の医師偏在問題を徹底分析

    多くの地域で問題化している医師偏在問題ですが、ここ鳥取県でも深刻な状況になりつつあります。まずは、鳥取県の各保健医療圏の医師数データまとめをご覧頂きましょう。

鳥取県の2次保健医療圏の人口10万人あたり医師数

保健医療圏医師数
東部保健医療圏207.6名
中越保健医療圏199.6名
西部保健医療圏354.0名
鳥取県の平均265.9名
日本全国平均219.0名

ご覧のように、鳥取県全体としては全国平均を上回っているものの、西部医療圏1つが大きく平均を引き上げているだけで、残る1つの医療圏は平均を割り込んでいることが分かります。鳥取県独自の特徴といえば、他県では県庁所在地を含む医療圏に人材が集中しがちなのに比べ、鳥取県では県庁が置かれている鳥取市を含む東部医療圏が平均以下になっていること。逆に米子市を中心とする西部医療圏に人材が集中しています。ただ、いずれにしても医師の偏在を是正しなければならないことに変わりはなく、県庁所在地云々という話それ自体は大した問題ではありません。一般に看護師の充足率は医師数と比例するため、同じように看護師数もまた、西部以外で顕著に不足しているものと思われます。「何としても看護師が必要」という病院であれば、多少高い給与でも雇ってくれる可能性があるので、少しでも条件を引き上げたい場合は人材不足のエリアを狙うのも1つの方策だと思います。

看護師求人4つのポイント~鳥取ver.

  • 病院数40&診療所数532は、いずれも47都道府県でもっとも少ない数値…
  • ですが、鳥取県は人口が日本でもっとも小さい県なので人口あたりの医療機関数は平均以上♪
  • 人口に比例して看護師の数も少ないため、求人の奪い合いが起こらず転職有利!
  • 他県と違い、県庁所在地の鳥取市より米子市、境港市周辺の西部医療圏に病院が集中!

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