長野には病棟看護師だけで1万5,000人の需要!

  • 長野県には病床数20以上の病院が116院、19以下の診療所が1,557院あります。人口10万人あたりの医療機関数で見ると、病院数5.39院で全47都道府県中33位、診療所数72.35院で全国31位となっており、平均を少し下回る程度です。それほど医療機関が多いとはいえませんが、他の都道府県から看護師が職場を求めて流入してくるような県ではありませんから、それほど問題はないでしょう。県内在住の看護師が転職先を探すには充分な数だと思います。
    県内にある病院の病床をすべて合計すると24,562床となり、仮に7:1の看護師配置基準で考えると常に病棟看護師が3,509人勤務している計算。この状態を維持するためには常勤換算で4~5倍にあたる15,000人近くの病棟看護師が必要になるでしょう。さらに、実際には外来担当、ICUといった病棟以外で働く看護師もいますし、訪問看護師や老人ホームの看護師といった病院以外の場所に勤務する看護師もいるはずです。それらを加味すれば、長野県で必要な看護師の人数は相当数に上るはず。転職したいと考えているのなら、二の足を踏むことはないでしょう。どちらかといえば長野市や松本市といった主要都市のほうが有利ですが、総合病院にこだわらなければ郡部であってもタイミング次第で求人を見つけることは可能だと思います。
  • 長野

長野県の特選看護師求人データ

看護師求人事情~長寿県の長野では在宅医療が拡大中!?

  • basic data
  • 病院数
    116ヶ所
    診療所数
    1,557ヶ所
    高齢者人口
    575,159人
    後期高齢者人口
    312,790人

    ※2013年5月時点のデータです

多くの日本人は長寿県といえば沖縄県を連想するようですが、実は長野県も日本を代表する長寿県の1つ。具体的には男性は全国の都道府県で寿命1位、女性は5位になっています。さらに特筆するべきは長野県の健康寿命が長いこと。単に生きているというだけでなく、介助を必要としない程度の健康を保って長生きする人の割合が非常に多いのです。長野県の高齢者医療費は全47都道府県で最安となっており、入院した場合の平均在院日数も最短。実際、2007年度にまとめられた“厚生労働白書”において、長野県は「医療費の抑制を進めていく上で1つのモデルケース」と伝えられています。もし、すべての都道府県が長野県と同じ老人医療費になれば、全国で2兆円もの医療費が削減できるそうです。そんな長野県の特徴といえば、在宅死亡率が高いこと。全国的にも在宅死亡率が高いほど、その地域の医療費が安くなる傾向が出ており、厚生労働省は在宅死亡率を4割まで引き上げることで全国の医療費を5,000億円減らすことができると試算しています。
特に県東部の佐久市にある佐久総合病院は、在宅医療に力を入れていることで知られています。ちなみにこの病院、もともと1944年に設立された当初は診療所に過ぎなかったのですが、今は821床の病床を有し、診療科目は27、在籍する医師は200人という大所帯に成長。さらに県内で唯一、ドクターヘリを完備する大病院です。この佐久総合病院には地域ケア科が存在し、無医村への出張をはじめ訪問診療を活発に行っています。それも単なる往診レベルではなく、X線撮影からペースメーカーの交換までをすべて在宅のまま行えるというから驚きです。長野の健康長寿は、こういった志の高い医療機関と医師によって実現されたものといえるでしょう。

  • 今、長野の地域医療は正念場を迎えている!?

    在宅医療の充実によってどこよりも少ない老人医療費を誇っていた長野県ですが、今のシステムをどこまで続けられるか不透明な状況になってきています。というのも、訪問治療というのは病院にとってそれほど利益になるものではないからです。長野の医療をモデルケースと捉えている厚生労働省でさえ“訪問診療は診療所の領分”と考えているところがあり、佐久総合病院が行っているような在宅医療をきちんとサポートできていません。事実、2006年の診療報酬改定では24時間往診体制を確保している“在宅療養支援診療所”に高い点数を与え、佐久総合病院のように高度な医療を在宅で行う病院は何らの恩恵を受けることもありませんでした。今後、充分なサポートを得られない状態が続けば、佐久総合病院も在宅医療の内容を見直さざるを得なくなるかもしれません。
    国が本当に長野の在宅医療体制を見習い、自宅死を増やしていきたいのなら、佐久総合病院が取り組んできたような在宅医療システムをしっかりとサポートしていくべきでしょう。サポートというのはもちろん、診療報酬の見直しによって高度在宅医療に対して充分な点数を与えることです。そうなれば、同様の在宅診療を提供できる医療機関を増やすことにも繋がります。民間の医療機関は利益が出なければ運営できませんから、病院の収入を確保することもまた、医療事情改善のために必要なのです。
    これからは老人医療費抑制のために在宅診療、在宅看護の需要がますます増えていくはずです。高齢化が進行すればするほど、すべての高齢者に入院治療を行うのは困難になっていくわけですから。そうなれば、訪問看護ステーションや介護施設で働く看護師の必要性が高まっていくことが予想されます。これから転職を目指すのであれば、そういった病院以外の選択肢にも目を向けてみると良いかもしれません。

  • 今、長野の地域医療は正念場を迎えている!?

長野県の看護師求人~4つの特徴

  • 県内の病床数は24,562床!常に3,509人の病棟看護師がシフトに入っている計算!
  • そのため、看護師配置基準7:1を実現するには15,000人規模の病棟看護師が必要!
  • 在宅医療の充実によって長野県は健康長寿の県に!訪問看護などの求人も多数!?
  • 長野市や松本市には求人が多い反面、医療機関の少ない郡部はやや厳しい可能性も…

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