ハローワークは看護師向きじゃない?
転職活動とするにあたって“民間かハロワか”で悩んでいる看護師さんもいるのではないでしょうか?インターネットが普及して以降、自分で仕事を探す人や、転職サイトのサービスを活用する人が増えてきましたが、一昔前まではハローワークが第一選択という時代もありました。今でも、公共機関ということで“ハロワのほうが安心なのかな?”と考えている人もいると思います。ですので、こちらではハロワのメリットとデメリットを細かく分析し、転職サイトとハローワークのどちらが有利かを見ていきたいと思います。実際にハロワを利用された看護師さんの体験談も掲載していますので、あわせてご覧ください。
看護師がハローワークを使うメリット&デメリット
優良病院はハローワークを利用しません!
- ハローワークというのは税金で運営されている公共機関です。カタカナ名になったせいで公共機関であることが分かりにくくなりましたが、正式名称は公共職業安定所(職安)と言います。ただ、1990年に一般公募で愛称が募集され、ハローワークと呼ばれるようになっただけ。ですから、利益を出すことは許されておらず、最低限の職業紹介を公費で行っているのです。そのため、労働者を求めている企業、病院としても“あまり良い人はいないけれど、人事に使える予算も限られているし仕方ない”という状況以外では好んで利用してはいません。経営状態が良く、高い給与を提示できる病院であれば、民間の職業紹介事業者(人材紹介会社)を利用していることが多いのです。また、好条件での求人が出にくいこともあってか、准看護師の募集はそれなりに見つかる一方で、正看護師の募集があまり見つからない傾向もあるようです。
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ハロワは求職者から利用料を取りません!
- 公共性の高い職業紹介所であるハローワークは、求職者から紹介料や手数料を徴収することができません。これは、ハローワークが雇用対策法や職業安定法、独立行政法人高齢・生涯・求職者雇用支援機構法といった法律に基づき、“働きたくでも働けない人々”を救済する名目で設立されているからです。名称が職安からハローワークに変わって以降、公共機関であることが分かりづらくなっていますが、厚生労働省組織規則に明記された機関なのです。そのため、仕事を探している立場の人に経済的負担を強いるようなことはできません。ただし、最近では民間の人材紹介会社についても、求職者から利用料を徴収するということはしなくなっています。個人に負担をかけるより、採用する企業や病院から手数料を取ったほうが合理的ですからね。実質的に、この“費用がかからない”というメリットは過去のものとなっているのが実情です。
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ハロワは、複数の求人を比較して優良案件をGETするには不向き…
- ハローワークは失業者を減らすことが目的ですから、一部の休職者だけが著しく有利になるのを避けようとします。資格を持っていたり、経歴が優秀な人だけが複数の紹介を受けられて、そうでない人が不利になるのでは公共性を失いますからね。また、採用されたのに就職しないという選択をすることにも不寛容な部分があります。ハローワークというのは、働けない人を作らないために運営されているのであって、より良い条件で働きたい人に転職を勧めるための機関ではありません。好条件での転職を狙っている看護師さんであれば、多くの選択肢をじっくり吟味できる民間の人材紹介会社を利用するのがオススメです。また、1回に2ヶ所しか応募できないのでは、ハロワまで足を運んだ手間に対して、あまりリターンがないと感じる方も多いのではないでしょうか。
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ハローワークは入職後の面倒までは見てくれません!
- 転職活動を終えた後、まれに“入職してみたら面接時と条件が違った”といった問題や“残業が事前の説明より多く、労働時間が異様に長い”といった労使間でのトラブルが発生する場合があります。しかし、公的機関としてのハローワークは職業紹介を行う権利しか持っておらず、その後のトラブルには首を突っ込めないのです。ですからトラブルの際に相談しても「労働基準監督署(労基署)へ行ってください」と言われるだけでしょう。しかし、民間の紹介会社であれば、予めトラブルがあった場合の仲介をサービスに含んでいるところが多いのです。労使交渉に介入する強制力や法的根拠がない点は変わりませんが“事前に入職後のトラブル交渉において仲介をする可能性がある”という契約を交わしている場合、民法上では紹介会社がトラブルの仲裁を行っても問題ありません。さまざまな可能性を考慮すると、入職後のサポートを行っている民間会社を探して利用したほうが安心だと思います。
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開庁時間が短い上、転職活動には不向き!?
- あくまで公的機関ですから、開庁時間は朝8:30から夕方17:15まで。しかも原則として平日だけです。人口20万人以上の都市に設置された窓口については、混雑を避けるため例外的に平日19時まで、土曜も10:00~17:00まで開庁していますが、やはり前の職場で働きながら利用するのは難しいと言わざるを得ません。そもそも、ハローワークは失業者を救済するのが主目的であって、在職中の人に職業紹介を行うための機関ではないのです。昔は在職中でも何の問題もなく紹介状を発行してくれたそうですが、バブル崩壊後は在職者には紹介状を出さないケースが増加しました。最終的には個々の係員の判断になりますが、例えば「給与アップを目的に転職したい」という理由でサポートを受けるのは難しいと思われます。
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ハローワークを使った看護師さんの体験談まとめ
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- お役所仕事っていう言葉がありますけど、まさにそんな感じでした。まぁ、公務員だと就職に結びついても結びつかなくてもお給料は変わらないでしょうし、仕方ないのかもしれませんが…。それに「給料が安すぎるから他が良い」的なことを言うと、あっさり「そんなにあれこれ選んでいるようでは仕事は見つかりませんよ、不景気なんですから」と言われてしまい、心が折れてしまいました…。不景気なのは分かっているけど、その中で少しでも良い条件を探そうと必死なんですから。別に私が贅沢したいわけじゃなく、小さな子どもがいてシングルマザーなんです。そういった事情もお話ししたのに、あの対応はちょっと冷たいんじゃないかな~。今は某転職サイトで、24時間託児所のある病院を探してもらってます。いちいち足を運ばなくてもコンサルタントさんが探してくれるし、民間って偉大だなーと思いました。
- (31歳・女性)
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- いくらなんでも採用率があまりに低すぎます!2ヶ月以上にわたって20ヶ所は応募したと思いますが、面接まで行けたのは1ヶ所だけ…。これじゃあ、いつになっても希望する条件の仕事は見つかりません。「ハローワークは本当に採用まで持っていく気があるのかなぁ?」と思って、こういった問題に詳しい知人に聞いてみたところ、カラ求人が多いという話を聞いて愕然…。無料開拓員というスタッフが「お金がかからないので、求人を出しませんか?」といって求人掲載を獲得しに行くらしいんですが、そんなスタイルでやっているせいか“本気で求人を出す状況ではないけど、無料なら出すだけ出しとくか”というような感じで出しているところが多いんだそうです。要するに、相当良さそうな人材が来れば採用するかもしれないけど、積極的に雇うつもりはないっていう求人がたくさんあるらしいんですよ…。これじゃあ、ハローワークに通う時間がもったいないし、ネットで自分で探すことにしました。
- (36歳・女性)
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- ハローワークで仕事探しをして、通勤時間が非常に短い近所の病院に就職を決めることができました。悪い評判も多いハローワークですが、そこは本当に担当者の人格と能力次第です。私の担当だった方はとっても親身に話を聞いてくれ、一生懸命探してくれました。実際、隣のブースには頬杖ついて対応している“The ムカつく公務員”って感じの人がいるのも見えましたし「ハロワ素晴らしい!」とまで擁護する気にはなれませんが(笑)最終的には人の問題だと思うんです。民間だって同じでしょう。ちょっとお洋服を見に行ったって、笑顔で気持ちよく会話してくれる店員さんもいれば、売りつける気マンマンの営業トークばかりで不愉快な店員さんもいますし。ハロワでも民間でも、結局はどんな人に当たるかによるのではないでしょうかね?
- (29歳・女性)
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- ハロワはちょっとシステムが面倒くさかったです。まず、ネットでも求人情報は見れるんですけど、実際に応募するためには窓口まで行かなくちゃいけません。んで、求職申込書にあれこれ書き込んで、窓口に出して…すっごい待たされたあとに“ハローワークカード”とかいうカードを発行してもらいます。それから求人検索用パソコンを利用して“自分で”求人情報を探し、良さそうなのがあったら“自分で”求人票を印刷。その求人票とハローワークカードを提出すると、職員がやっと対応してくれるという感じです。あれって受付の人必要なんですかね…?そこまでやるんなら、家のパソコンで求人情報を調べて、電話して確認取ったほうがよっぽど効率が良いんじゃ…と思ってしまいましたよ。もちろんハローワークを通さないと応募できない病院があるんでしょうけど、もうちょっと手続きを簡素にできないもんですかねぇ。最近、震災の復興計画が全然進まないというニュースで、復興プランの企画段階から民間に委託した市があって、そこだけ瞬く間に復興が進んでいる…という報道がありましたが「なるほど!」って納得しちゃったもの。
- (38歳・女性)
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- 私はハロワで最初に応募した病院にあっさり採用されてしまったので「あれ?転職活動ってこんなに簡単なの?」とビックリしました。とはいえ、私の場合はパート勤務で探していたので、そのおかげかもしれませんね。37歳で妊娠するまで市で一番大きい総合病院に勤めていて、師長の経験もありましたし…。40超えた今、昔みたいな野心もないのでパートで家計の足しになれば良いやーって、あんまり時給とかにこだわらなかったのが勝因ですかね?本当に給与とかにこだわらないのなら、看護師の資格さえあれば就職先なんて無数にあるみたいです。でも、独身で色々とやりたいこともあって、若さゆえに我も強くてって人だと簡単には行かないかもしれませんね。ただ、若いうちから“給料なんていくらでも良いや”なんて覇気がないようじゃ逆に心配だし、こだわりがある人は民間でワガママ聞いてもらったほうが良いのかも。まぁ無料だし、ハロワも利用しながら民間にも相談してみるのが賢いのでは?民間紹介を利用してることや、条件が良くなきゃ転職する気がないなってことは、ハロワには黙っとけば良いんだから。
- (45歳・女性)