産婦人科への転職にも役立つ!?助産師国家試験の解説

  • 助産師は看護師の上位資格に相当しますので、看護師としてのキャリアアップを考えて助産師の試験を受験するという方もいらっしゃるでしょう。また、資格自体を取得するかどうかはともかくとしても、産科・婦人科への転職を考えているなら助産師試験で一定水準を超える程度の知識が必要になるはずです。
    助産師へのステップアップや産婦人科勤務を考えているのなら是非ともここで助産師試験の過去問を解き、解説内容をチェックしておきましょう!
  • 助産師国家試験過去問題集

    それぞれの問いに対して適切なものを選びなさい。

    問1.
    妊婦に対する貧血予防の指導として適切なものを2つ選んでください。
    a. ビタミンDを接種するようにしましょう
    b. 野菜に入っている鉄分にはあまり貧血予防効果がありません
    c. 肉、緑黄色野菜を両方とも摂取しましょう
    d. 必要なら、鉄分を含むサプリメントなど栄養補助食品を利用しましょう
    e. 緑茶を飲むようにしましょう
    回答をチェック
    答:c,d
    【解説】
    問題文から、鉄欠乏性貧血を予防するためのアドバイス内容について聞いていることは間違いないでしょう。まずaですが、ビタミンDに貧血の予防効果はありませんので不適。これがビタミンCならば、鉄の吸収を促進する効果があるのですが、ビタミンDにはそういった作用がありません。次にbを見てみましょう。確かに野菜に含まれる非ヘム鉄は肉魚に含まれるヘム鉄と比べて吸収効率が低いですが、鉄分摂取にホウレンソウを摂取するのは一般的な方法。吸収効率が下がるからといって“あまり貧血予防の効果がない”とまで言うのは誤りです。最後のeについては、むしろ逆効果。緑茶に含まれているポリフェノールは非ヘム鉄の吸収を阻害する働きがあります。同様に、玄米のフィチン酸にも非ヘム鉄吸収を妨げる作用があるため、貧血予防に関していえば玄米食も避けるべき。 以上から、正しい答はcとdになります。
    問2.
    次のうち、正常な新生児の特徴として適切なものはどれですか?
    a. 塩辛い味について、その濃淡が区別できる
    b. 眼球運動は、上方から発達していく
    c. 鼻呼吸が呼吸の主体となっている
    d. 視力はおおむね0.1〜0.2程度である
    回答をチェック
    答:c
    【解説】
    まずaですが、新生児の場合は食塩水を与えても無反応な個体と、嫌悪を見せる個体に分かれており、一律に塩味を区別できるとは言えません。次にbですが、新生児は下方視、左右の順番に発達し、上を見る動きは最後になります。dについてですが、新生児の視力はおおよそ0.01〜0.02といわれており、ほとんど形を認識できないほど。
    正しい記述はcで、新生児は口呼吸が上手くできず、鼻呼吸に頼っています。そのため、新生児の鼻づまりは非常に危険。
    問3.
    地域の思春期相談窓口に13歳の女子から連絡がありました。本人は「他にどこに相談すれば良いのか分からないから電話したが、うまく話せる自信がない」と話しています。助産師が電話に出た場合、初期対応として適切なのはどれですか?
    a. 話すべきことを箇条書きするなどして、まとめてから電話するよう勧める
    b. 思春期の女子が相談してくることの多い内容を具体例として示し、話を引き出す
    c. 相談内容によっては学校の先生や保護者に連絡する場合があることを伝える
    d. 内容はさておき、相談のために行動を起こしたことをまずねぎらう
    回答をチェック
    答:c
    【解説】
    まずaは、理屈の上ではもっとも合理的かも知れませんが、今の電話を切ってしまうと次に電話をかける勇気を出せるかどうか疑問がありますし、もし相談したい内容が時間経過とともに状況悪化する可能性があるようなら、次に連絡が来るのはいつになるか分からないというのは問題。次にbですが、これは選択肢を見た段階では保留しておくと良いでしょう。そこまで悪い判断ではありませんが、特に強く推す理由も見いだせないからです。それからcですが、これは問題外。相談窓口というのは秘密保持が鉄則です。このような発言で不安を与えても得るものはありません。
    最後にdを見てみると、まずは相談者の不安を少しでも払拭することが重要ですから、非常に理にかなっていることが分かります。また、安心感を与えることで継続的な相談につながる可能性が高いのもポイント。以上から、bとdを比較してdを選べば、正解を導き出せると思います。
    問4.
    性同一性障害で、法的に性別の変更を行う場合、その条件として誤っているのは次のうちどれですか?
    a. 婚姻をしていないこと
    b. 18歳以上であること
    c. 性別適合の手術を受けていること
    d. 未成年の子どもがいないこと
    回答をチェック
    答:b
    【解説】
    性同一性障害の性別の取扱いの特例に関する法律によれば、戸籍の男女を変更するためには次の5つの条件を満たす必要があります。
    1.20歳以上であること
    2.今現在、婚姻関係にないこと
    3.未成年の子どもを持っていないこと
    4.生殖腺がないか、その機能を永続的に欠いていること
    5.他の性別の身体の性器に近似する外観を持っていること
    以上から、これらの条件に合致しない選択肢を選べば良く、答はbになります。
    問5.
    世界男女格差指数(ジェンダーギャップインデックス)に関する説明として正しいものはどれですか?
    a. 男女が完全に平等の場合、指数は0になる
    b. 公表を行っているのはWHO(世界保健機関)である
    c. 第1次産業に従事する層はデータから省かれている
    d. 世界の中で日本の順位は平均より下位である
    回答をチェック
    答:d
    【解説】
    まずaですが、ジェンダーギャップインデックスは完全平等の場合に指数1、最低の指数が0となります。ちなみに2012年に第1位となったアイスランドの指数は0.8640。次にbを見てみますと、この数値を公表しているのは世界経済フォーラムですから誤り。2006年から毎年公表されており、135ヶ国についてデータが出ています。最後にcですが、このジェンダーギャップインデックスは労働力の男女比、類似業務における賃金格差、勤労所得の差、管理職従事者の人数比、専門職や技術職の比、識字率の男女比、就学率の男女比、閣僚や国会議員の男女比、国家元首在任年数の男女比、そして出生時&平均寿命の男女比から計算されるものですので、第1次産業に従事する層を省くような規定は存在しません。
    以上から正解はdです。2012年のデータによると、日本は135ヶ国中の101位となっており、平均以下どころか下位争いの一角に位置しています。

    国家試験問題で産婦人科知識を向上!

  • 解いてみた感想はどうでしたか?
    助産師はその名前のとおり、分娩に関する知識を問う問題が多くなっています。また、女性の権利向上に関する世界情勢、法令などに関する設問も一定数出題される傾向があるようですね。こうした知識の有無で、産婦人科の患者さんにどういったアドバイスが出来るのかが大きく変わってくるはず。
    助産師試験の受験、産婦人科への転職を考えているのであれば、そうした知識を体系的に理解しておくことが不可欠だと思います。看護師としてのステップアップ、スキルアップに当サイトを役立てていただければ、こんなに嬉しいことはありません!